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今年はお盆時期の東北にしては天気は割と良かったと思う。 しかし、最大の目的であった朝日岳頂上の景色は 自身の判断ミスもあってすっきりしない展望しか得られず、 すごく悔しい夏になった。 来年の飯豊は絶対車を回送しよ。 そして、自分を信じて自分のペースで行動しよ。 朝日はまたいつかリベンジだな。 行程: 8/12(金): 自宅 → 道の駅 月山(車中泊) 8/13(土): 登山ハイヤーで泡滝ダム → 大鳥小屋 → オツボ峰 → 以東岳 → 狐穴小屋(小屋泊) 8/14(日): 狐穴 → 西朝日岳 → 大朝日岳 → 小朝日岳 → 鳥原小屋(小屋泊) 8/15(月): 鳥原 → 朝日鉱泉 → 登山バスで左沢駅 → 電車で寒河江駅 → 徒歩で寒河江SA → ヒッチハイクで朝日バス停 → 朝日庁舎 → 道の駅寒河江(車中泊) 8/16(火): 蔵王ハイラインP → 熊野岳 → 蔵王ハイラインP → 道の駅寒河江(車中泊) 8/17(水): 中山町立図書館でダラダラ → 古寺鉱泉P(車中泊) 8/18(木): 古寺鉱泉 → 古寺山 → 大朝日岳 → 大朝日小屋(小屋泊) 8/19(金): 大朝日岳 → 古寺山 → 古寺鉱泉 → 自宅 今年のメインは朝日岳だ。 登山計画は去年に作った。 北の入り口である泡滝ダムから東?の入り口である朝日鉱泉までをつなぐ縦走計画。 下山後はバス、電車、高速バスを使って車まで戻れるナイスな計画だった。 ただ一つ、予想外だったのは、去年に作っていたため、 お盆休みの日にちを一週間勘違いしていたことだ。 出発前に日にちのみ今年の盆休みにあわせて書き換えたが、 それが、今回の唯一にして最大の失敗へとつながった。 泡滝ダムまでは登山ハイヤーなる相乗りタクシーで行ったが、 そこで同乗した登山者から8/15の14:30の登山バスが無いことを聞く。 ベリー夏山シーズン定義?の短い東北、本州ならまだまだ夏山なのに、 8/15で登山バスが最終で、しかも朝イチの7:30しかないという。 これは困ったが、この時は最悪、誰かに乗せてもらうか、タクシーで帰ろうと思っていた。 さて、不安を振り切るように出発。 この日は暑かった。 さらに、1週間前の白馬の下山でTシャツ一枚で鎖骨が痛かった影響で シャツを脱いだらまた痛くなるかもと心配し、脱げなかったので激暑だった。 実際には鎖骨にガーゼを2重に追加し大丈夫だったのだが、 登り始めから痛む鎖骨に大丈夫と信じれなかった。 しかし、それが災いして、大鳥小屋からの急登で軽い熱中症になってしまう。 ガクンと落ちるペース。ついに座り込んでしまう。 この先の登山道は人が少ない。 途中で熱中症で倒れたら遭難だ。 心配になるが、そんな時はまず食べるべし。 パンを食べ、ジュースを飲んで休むと勇気が出た。 このままのペースでは本当にやばい。 シャツを脱ごう。 Tシャツ一枚になり、再び登りだす。 涼しさが全然違う。足も動くようになった。 鎖骨は、むしろ痛くなくなった。 なぜもっと早く脱げなかったのだろう? まあ、良い。時間も遅いし、とにかくまずは稜線へ行こう。 三角峰横の水場までようやく来る。 熱中症の影響がまだ残っているのか、ちょっときつい。 再び座って考える。遭難はご免なので、 15:00までにオツボ峰にたどり着かなかったら引き返そう。 稜線でも暑さはかなりのものだったが、 Tシャツになった影響は大きく、ペースは次第に上がっていった。 そして、15:00ぎりぎりにオツボ峰到着。 振り返る景色は素晴らしかった。 良し、行ける。計画通り狐まで行こう。 オツボから以東岳までもアップダウンが多く、きつかったが、 16:00に無事、以東岳到着。 眼下には大鳥池。良い景色だ。 以東岳頂上にいると、空身の人が頂上に上がってきた。 どこからだろうか?以東小屋は今、再建中で使えないはずだ。ビバークか? 話すと、以東小屋を作っている作業員の方だった。 お盆休みだが、留守番として工事用プレハブに常駐してるそうだ。 プレハブは非常時には避難小屋として泊めてもらえるらしいが、 「今日のこの天気では泊める訳に行かないよね。ハハハ。」とのこと。 「そうですよね。狐まで頑張りますよ。ハハハ。」 そう答えた時、無事辿り着けた安心感もあって、妙に幸せだった。 この時が今回の登山の中で一番幸せだった。おかしなものだ。 腹を満たし、狐までの道のりを眺める。 遠く、左奥に大朝日の姿も見える。 ちなみに、狐穴小屋は大朝日の手前に左斜めに白い場所があるが、その辺。 距離は3、4km位、コースタイムは2時間とまだまだ遠いが下りなので大丈夫だろう。 途中の登山道はアップダウンがあり、想像よりもきつかったが、 景色が良く、そんなに苦ではなかった。 特に、花は多かった。 狐穴小屋には18:00に着いた。小屋番さんの暖かい歓迎にホッとする。 この日は25人位だろうか?ぼちぼちな人の入りだった。 夕暮れ時、プラプラと近くのピークに登り、夕日を眺める。 余りきれいに染まらなかったが、まー、良い。 小屋に戻り、食事を食べ、就寝。部屋の中は暑く、快眠とは行かなかった。 8/14 3:30に起床して食事を摂って出発。 北寒江山まで登って日の出を待つ。 水平線に雲があって、きれいには日の出にはならなかったが、 ぼちぼちな景色だ。 月山。三角の峰は朝日連峰のどこから見ても良く分かる。 昨日歩いてきた以東岳。 良い景色じゃないか。 反対を見れば、これから向かう寒江山とその向こうに大朝日。 良い稜線だ。 寒江山まで登り返すと、太陽が一段と明るくなってきた。 この感じ、好きだな。 寒江山からぐっと下り、登り返すと竜門小屋。 竜門小屋は眺めの良い場所に立っていた。 ここに泊まっても良さげだ。 竜門小屋から一登りで、竜門山を越えると、 目の前には西朝日とその向こうに中岳、大朝日。 「よっしゃ、行ける」と思ったのもつかの間。 西朝日に来る頃にはがっつりガスにまかれてしまった。 まだ8:00だってのに、ガスが湧くの早すぎだろ。 ちょっとしたら晴れてくると信じて待つが、一向に晴れない。 これが失敗で、結局1時間待っていたが、その間にさらにガスは濃くなり、 その先の稜線もガスにまかれることになる。無念。 中岳を超えるとガスの中から大朝日が顔を出してきた。 おお、よかった。何とか晴れの頂上に立てるかも。 が、残念ながら、頂上はガスの中。 20分ほど待ってみたが、 かろうじて少し景色が見れたものの、パノラマとは程遠いものだった。 さて、どうしよう、今日は大朝日小屋に泊まる予定だったが、まだ11:00である。 景色が見れなかったので、やはり大朝日に泊まろかと思ったが、 登山者からの情報で明日は台風の影響で午前中から雨になるとか。 天気は下り坂か。そうすると、今日の夕方、明日の朝の天気も期待できない。 明朝のバスに乗るには大朝日小屋に泊まっては間に合わない。 下の鳥原小屋まで下っておかなければ無理だろう。 頂上からの景色を見ないまま下山するのはすごく後ろ髪惹かれるが、 景色も期待できないのであれば、残る意味もない。 残念だが、鳥原小屋まで下ろう。 さよなら、大朝日。 鳥原小屋までの道はきつかった。 下山なのに。 朝日連峰はどこの尾根も登り返しが多く、厳しかった。 特に小朝日の登り返しは厳しい。これだもんな。 バテバテになって鳥原小屋へ。 鳥原小屋は人が少なく(朝日鉱泉から近いため、あまり利用されない)、 一人畳2畳近いスペースがもらえ、悠遊と過ごせた。 小屋の隣の社で小屋番さんと酒をかわし、眠りについた。 8/15 なんだか天気が良い。 4:30に出発し、7:00頃朝日鉱泉到着。バスの時間にちょうど良かった。 良かった良かったと思うはずだが、素晴らしく気分が悪かった。 振り返った先に快晴の大朝日を見てしまったからだ。 昨日、予定通り大朝日に泊まっていれば、最高の景色が望めたのに、 なぜ俺はここまで来て、みすみすチャンスを捨ててしまったんだ。 愛知からこの為だけに来たのに。 バスなんかなくたって、タクシーを使えば良いのに。 愛知から来ることを思えば、安いものなのに。 少しの可能性があるなら、それにかけるべきなのに。 なんで。。。 最高に、気分が悪い。。。 登山バス(ジャンボタクシー)は満員だった。 さすが夏山シーズン最終便だ。 未舗装の林道に揺られ、細い道を行き、広い舗装路まで行くと、 やがて左沢駅へと着いた。 そこから難読文字つながりで左沢から寒河江までJRで移動。 寒河江駅から20分ほど歩いて寒河江SAに着くが、 元々予定していた時間と違うのでバス便が全然合わず、 仕方なく、ヒッチハイクをする。 目星をつけてドライバーにアタックするが、 2組に断られ、意外に冷たい奴多いなと凹む。 高速代&ガス代出すって言ってんのに。 しかし、3人目で無事に乗せてもらえることに。 いやー、ハッピーだ。 この方、酒田の酒屋さんで、お酒を運搬中だった。 無事に高速朝日バス停まで乗せてもらい、 お金を払おうとするも断られる。 なんとか半分だけ受け取ってもらい、分かれる。 いや、いい人だった。本当に感謝だ。 朝日庁舎まで歩き、車を回収。 とりあえず、風呂に入って汗を流す。 櫛引にある温泉「ぼんぼ」に入った。 まー、普通な感じかな。 休憩室でうたた寝して、車に戻ると雨が降ってきた。 翌日の天気予報は台風の影響で雨予報だったが、 外れるかもしれんと、とりあえず、山形市に近い位置まで移動する。 で、結局、寒河江まで戻り!、なんだかなーと思いつつ、 道の駅寒河江で車中泊。 8/16 とりあえず、雨は降ってないようだ。 蔵王に行き、山頂Pまで行くと、雨の降った形跡はあるものの、止んでいる。 レーダーを見ると、近くに雨雲はあるがぎりぎりかわせそうで、 その後は晴れの空間になるっぽい。 これは何度目かの正直。ついに蔵王を登れるのか! 腹を満たし、着替えて8:00過ぎに出発。 天気はばっちりだ。 登山規制も解除され、いい気分で熊野岳へ向かう。 右を見れば常にお釜の絶景だし、 振り返れば刈田岳のすがすがしい眺め。 良いじゃないか。 蔵王最高峰の熊野岳には社がひっそりとたたずんでいた。 人も少ない。 蔵王登山はハイキングみたいなものだ。 登山道さえ間違わなければ、本当に散歩。 (伸二郎はやや登山道を外れてしまった。油断は禁物である。。。) お釜は何度見ても美しく、 本当に良い登山、いや、ハイキング?だった。 めでたし、めでたし。 昼前には登山も終わり、昼ご飯は山形名物を食べる。 山形と言えば芋煮だ。 ネットで調べて山形駅隣の建物にある「山形田」に行くが、いまいちだった。 味も、雰囲気も悪かった。 カウンター越しに店員が怒っていたし、 定食にしたが、ツアーの昼食みたいな感じの量、味でイマイチだった。 こればかりはなかなか難しい。。。 その後、暇だったので中山町にある図書館「ほんわ館」で涼を取る。 で、またも道の駅寒河江で車中泊。 8/17 さすがに台風の影響で一日雨。 当初の計画であれば、会津駒ケ岳に向けて移動するはずだったが、 この日も中山町図書館で涼を取る。 なんで移動しないかって? それは朝日岳にリベンジする為だよ。 翌日の予報は曇り・雨予報だったが、 少しは可能性があると希望的観測で、リベンジすることにしたのだ。 もう後悔しない為にベストは尽くそう。 夜は寒河江SA横にある温泉「湯ーチェリー」で汗を流した。 ここは350円と安く、風呂は広く、とてもいい場所だ。 隣にあるSAで寝れるし、おすすめ。 また寒河江SA来たが、縁があるな。。。 その後、心配なほど狭い県道の峠を越え、古寺登山口Pへ。 車は10台位か。月のきれいな夜だった。 8/18 朝起きると空は曇っていた。 やっぱダメかもと思いつつも着替えて出発。 登り始めて、尾根まで行くと、空が晴れてきた。 どうやら、良い方向に天気が外れたようだ。 今日は行けるか? 暑かったが今日はTシャツ一枚だ。 良いペースで登り、古寺山まで来て、大朝日を眺める。。。 ぬぉー!大朝日だけガスがかかっとる!なぜだー! かなりがっかりだったが、大朝日まで登り、とりあえず、晴れ待ちをするが、 かなりがっつりとガスに覆われ、景色は見えず。無念。 時刻は11:00。晴れていれば景色を見た後下ろうかと思っていたが、 どうも晴れる様子はないので、夕方&明朝の景色に期待して大朝日小屋に泊まることにした。 暇になってしまったが、小屋の隣に住んでいるオコジョの遊ぶ姿を見たり、 他の登山者と話したりしてぼちぼちと暇をつぶす。 すると、ようやく17:00頃ガスが晴れてきた。 うぉー、今日は行ける!と頂上に向かう。 ガスはまだ結構残っていたが、南側&東側の景色はばっちりだ。 ぬはははは、もらったー!と勝利を確信したが、 その後のガスはしぶとく、西側と一番見たかった北側の稜線は最後まで姿を現さず。 なんでこんなに雲があるのかね? ねー、ブロッケンさん。 ねー、ワンコ雲さん。 ついに日が沈み、しぶしぶと小屋に戻った。 明日だ、明日があるさ。。。 この日は高校の山岳部が泊まっており、夜は管理人さんと、高校の先生と飲む。 朝日の小屋番さんはどの小屋の人も飲兵衛である。 小屋番さんはとても面白い人だった。 熊は四駆だから滑りにくいとか、 トリカブトの葉っぱをにゃんにゃん(噛む)して痺れたとか、 とても面白い話を聞かせてもらえて、楽しい夜だった。 月のきれいな夜だったが、気がかりはガスが完全に晴れなかったことだ。 でも、きっと明日の朝は晴れるさ。 8/19 二日酔い醒めやらぬ4:00に高校生のアラームで目が覚める。 なんだよ、うるせーなと思いつつ、窓の外を見ると、まさかのガス! 信じられん、これは夢だ。もう一度寝たら、いい夢に代わるさとふて寝。 が、2度寝、3度寝を経ても悪い夢は覚めず、 本格的にガス祭りなことに気づく。 なぜ、俺が泊まった日だけガスになるのか。。。 ハイパーショックで食事を摂り、しぶとく待つと7:00位にガスが晴れ始める。 よっしゃ!きっと晴れると頂上に行くが、晴れそうで晴れない。 西側の景色はたまにちょっと見えるが、 一番見たい歩いた北側の稜線が見えない。 さらに、8:00を過ぎたあたりから逆にガスが再び濃くなってきた。 結局、9:00まで粘るも、状況はさらに悪化し、無念の下山。 ベストは尽くした。今回はちょっと運が無さすぎた。 小屋番さんに別れを告げ、古寺鉱泉まで下山。 モヤモヤMAXで家路へ。 下界は快晴で暑く、朝日のガスが嘘のようだった。 夜中に家に到着。ニャンコが出迎えてくれた。 ただいま。しばらく留守でごめんね。 熱中症に打ち勝って得た以東岳から竜門までの稜線の景色、晴れの蔵王、 初めてのオコジョと小屋番さん達との楽しい夜など、 良い思い出も多くできて、それなりに満足の山行だった。 しかし、一番見たかった大朝日からの景色は 一つの判断ミスで最高の瞬間を失い、 すごくモヤモヤした夏になってしまった。 いつかまたリベンジの為、朝日を再訪すると思うが、 来年の飯豊だけは同じ過ちをしたくないので、 今回の足かせとなったバスの時間の拘束を無くすため、 飯豊は車を回送しよう。 今後のことを思えば、今回の経験もまた良いものだったのかもしれない。 きっと来年の飯豊は良い登山になるはずだ。 その前に、残る山、ちゃんと登れっかなー? 特に火山規制のある吾妻とか、縦走やっぱ諦めかなー? まー、がんばるかー。。。 |
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大朝日岳に2度、チャレンジとは凄い執念ですね。
私は大朝日岳から眺めた石転び雪渓を見て飯豊山を知りました。 私は朝日鉱泉の駐車場で車中泊して中ツル尾根を登りましたが、鳥原山経由で朝日鉱泉に戻りましたが 小朝日岳の登り返しは堪えましたね。 今年の夏は祝瓶山、障子ヶ岳、以前登った時に雨だった早池峰などを予定してましたが 初盆の行事で中止になりました。 以東から朝日の縦走、凄く気になってます。 秋山は眺望が優れる事を、お互い祈りましょうね。
鳥さん、どーも。
小朝日の登り返しは本当にきついですね。 下りが中ツルの方が楽な気がしますが、 急に景色が見える中ツルの方が感動できて良いかもしれませんね。 次に行くなら、中ツル詰めて大朝日に行き、御影森通って下ろうかな。 以東、結構良いですよ。すごく静かで、景色も良いです。 車の回収に難点がありますが、再来年には以東小屋も復活するみたいですし、 いつかぜひ。 しかし、祝瓶山とはまた渋いですね。 秋はきっと晴れますよ。 お互い、良い山旅になると良いですね。 ではでは。 |
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